COLUMN

【FPに相談】身内が認知症になったらどうお金を使ったらいい?高齢化社会で知っておきたいお金の使い方

「認知症」リスクに備えましょう!

あと5年以内には日本の人口の5人に1人が65歳以上の高齢者という、世界でも類を見ない「高齢化社会」がやってきます。それと同時に認知症高齢者も急増するのは必然と言えるでしょう。現在予測されている認知症患者の数は、厚生労働省の推計によると、2025年には730万人を超えるとも言われており、軽度の症状も含めればおよそ国民の20に一人は認知症患者という時代に突入しつつあります。
今は元気な親や配偶者だけでなく、自らも認知症になるリスクがあるのです。そんな中でも高齢者の方の生活を支える年金制度が崩壊しつつあり、今までのような、保障豊かな高齢者生活の存続すらも危ぶまれている日本では、どう生きて、どう備えていけばいいのでしょうか?
そこで今回は、そんな身近な社会問題である「認知症」とそれに伴う「お金」に備えるにはどうすればいいのかを考えていきましょう。
引用:認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の概要

第1章 認知症になるとどうなる?そのリスクとは!

まず認知症や高齢者の問題を考えていく上で重要となるのは、高齢者の方を支えていくための介護にあるということはわかりますね。そしてその介護に必要となるのは「人手」と「お金」です。お金を使わないで介護するとなると人手がかかり、家族の誰かが「介護離職」という経済リスクを背負うことにもなります。このようなリスクに対する準備には、まず「知識」と「備え」が必要です。

第2章 認知症になったらどうする?治療と介護に必要な「お金」のこと

認知症?と思ったら

もしも身近な人が「認知症かな?」と思ったら、迷わずに医療機関へ相談しましょう。受診する科は、精神科、神経科、神経内科、老年病内科老年内科などがあります。
わかりにくい場合は、近くの役所に問い合わせても紹介を受けられます。また「かかりつけ医」がいればそこに相談するのもいいでしょう。

認知症の治療と介護

そこで「認知症」と診断されれば、薬物治療や非薬物治療を行います。
大切なことは、早期診断・早期治療を行うことです。
認知症の診察・検査・治療にかかる費用は、基本的には公的な健康保険が適応されるため、現状では70歳未満で3割、70歳以上で1~3割の自己負担で済みます。ただ、認知症は、治療が長引いたり、他の持病と両方の治療費がかさんだりすることも多く、そこに介護も必要になると介護保険料の自己負担分も発生することになります。

第3章 認知症患者の方全員が利用すべき介護保険と具体的なサービスとは?

介護認定の申請をしましょう

「介護が必要な状態になった」と感じたら、まず住民登録をしている役所か地域包括支援センターで介護保険の介護認定を受けましょう。
介護度は「要支援1」から「要介護5」までの7段階で判定されます。

介護サービスを利用しましょう

認定された「介護度」によって、利用できる介護サービスは大きく異なってきます。
そこで介護職の専門家であるケアマネジャーに相談してケアプランを作成し、受けるサービスの内容を自分の生活リズムに合わせて選んで決めていきましょう。
介護保険サービスは大きく3つに分かれています。

・在宅サービス

在宅生活を送る介護者に対し、ホームヘルパーらに訪問してもらったり、介護老人保険施設などに通いリハビリを受けたりするサービスがあります。「訪問介護」「訪問入浴介護」「訪問看護」「通所介護」などがこれにあたり、「要支援1」以上の人が利用できます。

・地域密着型サービス

介護度が重くなっても、住み慣れた地域で生活できるように考えられたサービスで、在宅型の「訪問介護」やグループホームに入居してサービスを受ける「共同生活介護」などがあります。「要支援1」以上の人が利用できますが、受けることのできるサービスは介護度によってさまざまです。

・施設サービス

介護保険施設に入所して、24時間体制で介護サービスを受けることが出来ます。この介護保険施設には主に3つのタイプがあります。
「特別養護老人ホーム」は、常に介護が必要で自宅での介護が難しい人が入所する施設です。(要介護度3以上の人が対象)
「介護老人保健施設」は、リハビリ重きをおき在宅復帰を目指す施設です。(要介護度1以上の人が対象)
「介護医療院」は、医療の機能と生活施設の機能を兼ね備えた施設です。
(要介護度1以上の人が対象)

第4章 介護にかかる費用はどれくらい?意外とかかる自己負担について

介護施設に入居する場合は、介護保険サービス費用の1~3割に加え、食費や居住費、日常生活費などが自己負担としてのしかかってきます。
またこのような公的施設に入所できない場合は、民間の有料老人ホームや介護付き高齢者住宅などに入所することになります。その場合、どうしても民間サービスは施設費用が高額になる傾向が強く、利用者家族にとって大きな負担と不安をもたらすことになります。

介護サービスにおいては、所得に応じて、かかった費用の1~3割を自己負担します。介護サービスのうち在宅と地域密着型サービスは、要介護度に応じた1ヵ月あたりのサービス支給限度額が設けられているため、支給限度額を超えた分は全額が自己負担となります。
また、所得によって異なりますが、自己負担額が一定の額を超えた場合は、申請することで「高額介護サービス費」や「高額医療合算介護サービス費」として払い戻される制度もあります。

在宅と地域密着型サービスの月額支給限度額は
要支援1- 50,030円
要支援2-104,730円
要介護1-166,920円
要介護2-196,160円
要介護3-269,310円
要介護4-308,060円
要介護5-360,650円
参照 厚生労働省:要介護度別の支給限度額
となっており、自己負担額はそれに応じた1~3割の金額となります。

第5章 認知症患者の方の約9割が加入している認知症保険とは?

このように高額な介護費用を支援する制度があるとはいえ、平均寿命と健康寿命の差が広がっていく現代において、金銭的な不安を払拭できるほどの公的な保証制度はありません。
その不安に備えるためにも、民間の「認知症保険」をうまく活用し、日頃から備えておくことが大切になるのです。

認知症保険の種類は大きく分けて2種類

認知症保険には「生命保険」と「損害保険」の2種類がありますが、その内容は大きく違います。

「生命保険」では、主に認知症になっていない人を被保険者として契約でき、後に認知症が発症したときに給付金を受け取ります。これは、主に介護費や医療費をカバーする保険商品です。
「損害保険」では、認知症を発症した人も契約することができ、その患者が行方不明になったり、他人を巻き込んで事故を起こしたりした場合に保険金が支払われる商品です。よって、他人に損害を与えた場合に補償をする商品となります。

第6章 相談料が無料!認知症とこれからのお金の管理を相談するならFPと一緒に!

日々の生活の中で、このようなマイナス面の情報収集やプランニングを行うことにはなかなか気が向かないのも事実です。
しかし、近い将来必ずや訪れる高齢化社会と認知症問題について、自らが予測し勉強、準備することが大変重要になります。
もはや認知症対策は他人事ではない時代です。そのためにも、家族の誰かが認知症になる前に、その後の生活プランや資金計画を立てておくことがもっとも大切になります。
まずは自分の収入や貯蓄、家族や親族の状況を把握し、未来の明るい生活を送るための準備として、いろいろなアドバイスをもらえるファイナンシャルプランナーに相談しておくことをすすめします。

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